ウェントワース女学院で起こる日々の出来事・・・
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In one day's time



・・・っはーーーっ。


フェーレンシルト先輩に
「そんなに大変な仕事じゃないのよ」
とか言われて気軽に引き受けたものの、

・・『大変な仕事』だよこれは・・・。



いよいよ明日に迫ったティーパーティー。


『ティーパーティー』なんて聞くと
華やかで優雅な印象を受けるけれど、
ゲストの迎賓とか、お相手とか・・・
そういった『華やかな仕事』っていうのは、
みんな上級生の先パイ達のお仕事。



ボク達は、
ゲストに用意するケーキの確認や
ゲスト分に椅子の確保、
テーブルのセッティングやらに追われている。



・・・こりゃ明日も大変だろうな・・・。



・・いやっ、でも!

これだけ働いたんだから、
美味しい紅茶にありつく権利ぐらいはあるよね?



あとは、当日の天気がよくなることと、
『いつか王子様がハートモード』がONになった状態の
フェリシアに捕まらないこと!

それを祈るだけだな。
 
16:15 (11ago)5年生 メリーナ・ナジャ・クルシュマン -
seasons



・・・はあぁ。

・・・

・・・あれ。



―気がつかなかった。

・・・いつの間にか随分と暗くなっちゃったんだなぁ・・・。


この時期の放課後の学園って、
程よく暖かいし、残る人も少ないから、
ちょっと集中して読書するにはもってこいなんだよね。

寮に戻るとさぁ、ホラ・・・
・・・フェリシアに捕まって、
二時間ぐらい喋り通されることもあるし さ。

だから今日は、
授業が終わったらいったんササッと教室を出て、
フェリシアが寮に戻るのを待ってたんだよね。


・・・でも、そろそろ寮に戻らないと、
ヘア・フォイルナーが・・・マズイ。





―人気のない学園の中、寮までの廊下を、歩を速めながら、こんなことを考える。





・・・季節が変わるのっていいよなぁ。


同級生には賛同して貰えないかもしれないけれど、
僕にとっては、季節が移り変わるのって、
自分の誕生日が来るよりも重要なことだと思う。

だって、誕生日を迎えるのって、
ただ“昨日”が“今日”になるだけだろ?

一秒変わっただけで、
時計の針がコチッと数ミリ動いただけで、
一体僕たちの何が新しくなるっていうのさ?


他の女の子がヤケに大切に扱う○○記念日も同じ。
まったく同じ日がまたもう一度やって来る訳じゃない、
ただカレンダーの都合で同じ数字が並ぶってだけ。

そんなにソワソワして待たなくたって、
カレンダーにマルをつけとけば忘れることもない。



―でも、季節っていうのは違う。



いつの間にかやってきて、
いつの間にか去っていくんだ。

自分でアンテナを最大限に張って、
五感を使って気がつくようにしないと、
あっという間に見逃しちゃうだろ。

・・・それって損だよね?

どの季節もいろんな側面をもっていて、
どの季節も最高な瞬間がたくさんあるのにさ。



それに、これからやってくる“春”って季節は、やっぱり格別だと思うな!

気分が高揚してきて、
訳もなく元気が沸いてくる。

・・そういえば、フェリシアの
「運命の人〜〜〜!!!」
の話が増えるのも、毎年この季節だよな。

・・・フッ、まあ、なんとなくわかる気がするよ。





―ガーデンを抜けて、寮の入口が見えてきた。



夕食の時間までに、なんとか間に合ったかな?

・・・と思ったけど・・・
どうやらギリギリアウトだったらしい。


扉の前には、腕組みをした
ヘア・フォイルナー。

足をかけて侵入できそうな窓の向こうには、
ウットリと宵の明星に目を輝かせているフェリシアの姿。



・・・はあぁ・・・。


夕食前に、面倒な課題がまた一つ、か・・。
18:42 (11ago)5年生 メリーナ・ナジャ・クルシュマン -
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